ネタバレで思考停止するはてなー達

このエントリは09/11/21に書きました。


はてなユーザーと話していてもつまらない。 - キングダムぶろぐ からの一連の流れを眺めて。


ここ最近、はてなユーザにもつまらないのが増えたな、と思っていたのだけれど、今回の流れでそれが如実にあらわれてしまい、あらためて落胆している。この流れから、どのような意見が出て、どのように派生していくのかを見ていきたかったのだけど、それがあらわれないまま、飽きられて、忘れられてしまうのでは勿体無いと思い、今回、このエントリを書くことに決めた。*1

ただの改変コピペではない、本文の説得力


はてなユーザーと話していてもつまらない。 - キングダムぶろぐは、多くのブックマークを集めた。それも、ブコメを見ると、内容に関して意見をぶつけるものばかり。後に改変元となる記事が判明したが、改変というネタを抜きにしても、多くの人の心に響く何かがあったのだろう。


増田改変ネタということで、ところどころに突っ込みどころができてしまうのだが、これは逆にブクマを集めるための大きなポイントとなっている。

・まず、話してもつまらない。「ああ、逃避の場所としてはてなを選んだんだな」というのが丸わかりなほど、まともな返答ができない奴が多すぎる。
・そして、はてなユーザーは消費も創作もして自給自足するハイパーなネットユーザーなんだなんて言うのは大間違いだというのがわかった。
・大半のはてなユーザーはただ人気エントリーを見て「一緒にブログ記事を消費している」という連帯感で人との繋がりを保ちたいだけ。
・見もしないで見下したり、何の根拠もなくはてな文化が上だと思っていたり。

はてなユーザーと話していてもつまらない。 - キングダムぶろぐ

このあたりは、元記事改変で出来た部分で、たぶん、多くのはてなユーザが自身で思っていることとは合っていないのだと思う。みんなでくねくねしたくてはてなをやってる人ってそんなにいないでしょう。だから、このあたりの文が、おもしろ突っ込みポイントの役割を果たし、よりブコメを賑わせたのだった。


けれど、一方で、はてなユーザに痛みを与えるような、真実味なる内容も兼ね備えている。

・「ここでこれを引用すれば面白い」と学習した上でのコピーでしかないし、全く自分の発想や意見というものを持っていない。
・その日の人気エントリーtwitterのみんなが言っているような感想でしか斬れないし、注目されていないけどこれが面白い、ここをこういう視点で見ると面白い、というものが全くない。
・視野が狭くて自分の視野に入ってこないものへの差別意識が強い

はてなユーザーと話していてもつまらない。 - キングダムぶろぐ

そう、ここ最近、こんな感じのはてなユーザが増えたな、と私も感じている。本当に増えた。


私は元ネタがあることを知らず、このエントリをホッテントリの一つとして素直に読んだのだけれど、本当にそうだなあと思った。前からはてな界隈を眺めている人たちは、同じように思った人も多いのではないだろうか。

id:HKBから感じとれる違和感


私ははてブの(人気|注目)エントリを巡回しはじめてから、もう3年近くになる。しかし、まるではてな界隈をずっと眺めていたように*2、鋭い視点を持ってエントリを書ける人のブログを、私は知らなかった。そして、このブログが、今まで全く注目されていなかったことに、違和感を感じた。


私は、気になって他の記事をさらっと調べてみた。けれど、このような長文エントリは上がっていない。id:HKBどこか飄々としていて、まるで何かを演じているようだ。最後に、本人のプロフィールを見る。

ユーザー登録から本日までに日記をつけた日数:1日
はてなダイアリープラス 利用中


初日でこんな記事が書けるはずがない。きっと、誰か、はてな界隈に詳しい人が、何らかの意図を持って始めたはてダなのだろう。私は、id:HBKの正体が知りたいと思った。

id:HKBの正体を探る


id:HKBはてなユーザだとすれば、もしかしたらセルクマしているかもしれない。それも真っ先に。私はブコメページをもう一度見直した。


そして、ブコメの先頭、そこには、id:Hamachiya2 がいた。


そういえば、去年にもhttp://d.hatena.ne.jp/Hamachiya2/20081228/anond:tile=こういうことがあった。このエントリにつけられたブコメがふっと脳裏をよぎった。

keyboardmania 大漁www 1getがHamachiya2の増田は注意w

はてなブックマーク - 今年ぼくが書いたはてな匿名ダイアリーまとめ - ぼくはまちちゃん!

なるほど、はまちちゃんなら今年もやりかねない。あの妙に鋭いコピペ改変エントリのような内容が書けるのも納得だ。きっと今年の年末にネタバレするのだろう。


そして、はてなブックマーク - Hamachiya2のブックマークにも目を通してみた。すると、キングダムぶろぐとの、ある共通点が浮かびあがった。それは、これこれだ。ちゃんと前日にヒント*3を仕込んでいたのだ。


いよいよ私の中では、 id:HKB = id:Hamachiya2 としか思えなくなってしまった。id:HKB、コメントの、"48人めざします" は、AKB48を連想させるブラフだろう。そしておそらく、Hamachiya2 Kingdom Blogの頭文字なのだろう。あれ、そういえばまだ誰もid:HKBの正体を指摘していない。私は自力で正体をつきとめたことに嬉しくなってしまって、Twitterにこんなpostを投げた。

キングダムぶろぐ http://d.hatena.ne.jp/HKB/ は更新頻度とかネタの切れ味が尋常じゃなくて、色々な材料から @Hamachiya2 の仕業だと確信した。 HKB = Hamachiya Kingdom Blog でしょう。いつもいい仕事ご苦労さまです。

4:30 AM Nov 19th YoruFukurouで

ただ、これは午前4:30という最も人のいないであろう時間のpostだったためか、ほとんどの人に捕捉されなかったようだった。しかし、こちらからの片想いだった、@Hamachiya2からはfavと、Followをいただいた。これが意味するものは……。


次の日も、id:HKBの正体を明かそうとするものはあらわれなかった。私は、こんなことをTwitterでつぶやいた。

今、ネタバレで思考停止するはてなー達、とかいう題名のエントリを書いたら、それなりに反響があるだろうな、と思ったのだけど、コメント書きたいがためのブクマは、私にとってほとんど価値のないものだし、誰かに頑張ってもらいたい。

10:22 PM Nov 19th YoruFukurouで

けれど、その次の日もあらわれなかった。ただただ勘違いブコメが増えるのみで、業を煮やした私は、ついにネタバレ記事を書こうと決心した。

やっぱり、書こう。

15:50 PM Nov 20th YoruFukurouで

そうしたら、この7分後、そんなんかいたらバレバラやんけあほ!! - キングダムぶろぐと、怒られてしまった。いや、ただの偶然かもしれないが、私宛てのメッセージと解釈した。だから私は、これを取り下げたのだった。

違和感を感じとれなかったはてなユーザ、空気の読めない私


あのエントリには、様々なヒントが意図的に散りばめられていた。これは、現在のはてなユーザの力量をはかるために用意されたものだったのかもしれない。そしてついに、id:HKB=id:Hamachiya2だと主張するものは、ブクマやメタブクマにはあらわれなかった。*4ブコメに積極的なはてなユーザの大半は、皮肉にも、あのエントリの本当のメッセージを受け取ることはできなかったのだ。


一方で、よくできたはてなユーザは、id:HKB=id:Hamachiya2だということをとっくに見抜き、ブコメで踊る阿呆をニヤニヤと眺めていたのかもしれない。そんな中、空気の読めない私が、その場を壊そうとした。けれど、ほんの小物な私でも、この場を壊す恐れがあると感じたのか、はまちちゃんは私の動向を監視し、破壊を食い止めた。私ははまちちゃんの意のままに操られていたのだった。


あのエントリの真意とは


あのエントリをあげた、はまちちゃんの真意とは何だったのだろう。あのエントリがはまちちゃんのブログに上げられていたら、あんなコメントがついただろうか。


あのエントリの最後の部分、とても印象に残った部分を引用する。

要するに自分の掴んだはてなユーザー像は話がつまらなくて、自分で面白いものを発掘したり意見を言ったりする能力がなく、視野も狭くて排他的で何の行動もしてなくてダラダラと誰かが選んだその日の人気記事を見ているだけって感じです。

2008年頃までは、はてな(ブックマーク)の年だったと言うことができるけど、既に凋落は見え始めていて確実に2010年ははてなの年ではなくなるだろうなと思いました。

はてなユーザーと話していてもつまらない。 - キングダムぶろぐ

これは改変ネタではあるが、はまちちゃんが本当に思っていることではないだろうか。


私が思うに、2008年頃までのはてなは、面白いユーザで溢れかえっていた。決して有名でないはてなユーザも、人とは違った視点を持ち、その人の個性を感じさせるような鋭いコメントを返していたものだった。天邪鬼的な視点も多く、ブコメの魅力のひとつだった。


しかし、今は違う。当時は誰もが粒揃いだったはてなには、凡人の割合が増えた。天邪鬼的な態度をコピペしたようなユーザも増加し、以前に比べても、エントリにブコメがつけられる率がどんどん高くなっている。そして、つまらない意見が多数派として溢れるようになってしまった。


あのエントリでは、はてなTwitterを一緒くたにしているけれど、Twitterでは、以前のはてなの面白い時代を知っている人間が、今のはてなのつまらなさを嘆いていたりする。これは、"近頃の若者は~論"とは別物で、

略RT @tsuda:「面白い人が面白いことをする」→「面白いから凡人が集まってくる」→「住み着いた凡人が居場所を守るために主張し始める」→「面白い人が見切りをつけて居なくなる」→「残った凡人が面白くないことをする」→「面白くないので皆居なくなる」

3:44 PM Oct 17th YoruFukurouで

という流れにはてブがのっかってしまっていることを感じ、危惧していたのだろう。

釣られた人、釣られなかった人、そして、気付いた人

釣られた人は、釣られなかった人の受け取れなかった意味を受け取っている - いいんちょさんのありゃあブログという記事には、絶賛するはまちちゃんブコメがついている。これが答えなのかもしれない。


今回、釣られてしまった人は、釣られたけれども、自分の意見を表明することで、何らかの考えの変化があったかもしれない。釣られた、釣られなかった、なんてのは他者との関係でしかなくて、本人としては、考えるか、思考停止しているか、の、どちらかでしかない。もちろん、これをきっかけに、自分のなかで、何らかの理解が進めば、たとえそれが釣られる関係だったとしても、本人には、得をしているのだ。


逆に、釣られなかったと安堵している人は、既にその時点で思考停止に陥ってしまい、せっかく、何かを学ぶチャンスがあったのに、それを逃してしまう。この一連の流れを一種の娯楽として消費してしまうのは、勿体無いことだ。


また、今回、よりメタな視点から眺めることのできた、先ほどの記事の人や、私は、色々と得るものがあったのではないか、と思う。


そして、さらにメタな位置にいる、はまちちゃんは、この"種蒔き"によって、何か大きなものを収穫しようとしているに違いない。私は、その作物が実るのを、楽しみに待とうと思う。そして、実りの果実が皆にふるまわれたとき、このエントリを公開するのだ。*5

*1:がこの時は公開を見送ることに決めた。理由は最後に。

*2:ここ一年程、全く目立つ活動をしていない梅田望夫を引っ張り出すあたり、新参ではないだろう

*3:もしくは後でネタバレしたとき用の証拠

*4:実は一瞬だけ、私がブクマして、ブコメに「こんにちはこんにちは!……ですね!」なんて書いたりしているのだけど、なんだか野暮だなと思ってブクマを解除した。そして、メタメタブクマに書いた。

*5:とかっこよく締めたつもりだったけど、こっそり公開する. 11/06/17公開