ペースメーカー装着者のそばでは携帯電話の電源をきるべきか

優先席以外で「携帯の電源を切ってください」ってあり? : 生活・身近な話題 : 発言小町 : 読売新聞

携帯電話の発する電磁波がペースメーカーに影響を及ぼす恐れがある。
数年前に多く報道され、一般に認知されていると思います。


しかし実際に、携帯電話の電磁波によるペースメーカーの被害というのは、
聞いたことがありません。


そもそも携帯電話がどういう仕組みで、ペースメーカーがどういう仕組みで、
それぞれがどう干渉し合って、そのようなことが起こるのでしょう。
気になったのでウィキペで調べてみました。



(wikipedia:心臓ペースメーカー より引用)

患者の心臓の状態や重症度に応じ、電気刺激のモードを変更して使用するのが一般的である。(中略)携帯電話等が発する電磁波を受信すると、その電磁波がモード変更のための電磁波であると誤検知し、誤作動を起こすというリスクがある。

なるほど、原理的にはありそうな話ですね。

日本では携帯電話の急激な普及と、利用者のマナーの悪さに対するマナー啓発キャンペーンとして利用され、強調された結果、不必要に心臓ペースメーカー装着患者の恐怖心をあおり、心身に被害をもたらしてしまったという側面もある。
実際には携帯電話が心臓ペースメーカーに対して誤動作を引き起こしたという事故が報告された事例は世界中でこれまで認められない。日本以外の地域では携帯電話使用による心臓ペースメーカーの誤作動の可能性はほとんど問題にされていないため、公共交通機関での電源オフの呼びかけを実施している地域は世界でも日本のみ、もしくは極めて稀である。

外国ではほとんど問題にされていないらしいです。これは意外。


更に詳しい数値がリンク先に載っています。

それをまとめると、
・12cm離れている状態での誤動作は確認されていない
・新しい機種、一世代前の機種でなければ、誤動作する可能性はより低くなる


で、

携帯電話通信方式の世代交代によって干渉のリスクは大きく下がっており、また、ペースメーカーにも日々干渉防止の改良が施されているが、これらは正確に報道されていない。
前出の「電波の医用機器等への影響に関する調査結果」によって干渉が起こることが判明したペースメーカーの機種名すら一般に公開されていないのが現状である。

マスコミも、調査機関も中途半端な感じですね。
それでも、思ったよりは遥かに危険性が少ないと読めます。


それならば、被害報告はどれほど出ているのでしょう。

心臓ペースメーカー装着者の実生活において深刻な誤作動事故を引き起こした例は世界中でまだ確認されていない。

なんと!事例が確認されていません。
あれだけ大騒ぎしておいて、単なる携帯電話へのネガティブキャンペーンだったということだったともとれますね…。


* * * * * *


まとめると、
・原理的には可能性はある
・12cm以内の距離で、僅かながら起こりうるかもしれない
・被害報告はない


といったところです。

その事実を知らない(危険性があると過剰に信じている)ペースメーカー装着者は、
不安によるストレスの影響のほうが大きいのではないのでしょうか。
見えない電磁波の影響を怖がるのは、宇宙人を怖がる感覚に近いような気がします。
正しい知識を身につけさせ、安心させることのほうが、真にその人のためになるはずです。