知的プライドの高い人が、本当の意味での頭のいい人になるには

http://anond.hatelabo.jp/20090327205232
http://anond.hatelabo.jp/20090328161801
に対する、
知的プライドの高さは、根拠のない自信へ変えればよい - 鍵壺のWeblog
の続き。まとめも。


知的プライドが高くとも、能力が追いつかなければ、本当の意味で満足することはない。能力がプライドに追いつくように、自分を理解し、鍛えなおす必要がある。

頭のいい人、の定義

私の思っていた『頭のいい人』が説明が、充分にできていなかったので、思っていることが伝えられなかった。自分の能力の低さを痛感している。ここで『頭のいい人』の定義を行いたい。


今までは、


頭のいい人 = 知能指数(すなわちIQ) の高い人


という意味で使っていた。元エントリーを見ると、頭のいい人=知能指数の高い人、と見てとれるので、それに合わせた。

しかし、『頭がいい』というのは、一般的には知能指数が高いだけでは不十分だ。例えば知識が豊富で、専門的な語句ばかり使う人間よりも、誰にでもわかりやすく説明でき、頭の中の考えを他人と共有しやすい人間のほうが、『頭のいい』人だと思われる。これから使う『頭のいい』は、自己の能力を外に活かす能力だと、定義する。


頭のいい人 = 自己の能力を外側に活かす、能力*1

EQの重要さに気づこう

EQって何?っていうのは、正直なところよく理解していない。が、便利な言葉なので使わせてもらう。

1:自分の気持ちをよく知って、それを表現する力
2:自分の気持ちをコントロールする力
3:自分を励まし、やる気にさせる力
4:ひとの気持ちを分かってあげられる力
5:友だちとの関係をうまくコントロールする力

http://www.u-gakugei.ac.jp/~sekiguti/eoikc/atama.htm

ここにあげられた5つの能力*2は、頭のよさ = IQ * EQ と考えてよいくらい重要な要素だ。しかし、小学校から大学までの教育機関で、客観的な指標としてあらわされる自分の能力は、テストの点数や通知表の数値だけだ。テストの点数や、通知表というのは、IQ , EQ との相関関係を見れば、おそらく、IQ > EQ となるだろう。教育機関では、ある程度EQが低くとも、テストの点数さえ取れていれば怒られないので、生きていく上で、また、仕事をする上で、EQがどれだけ重要か、ということに気付けないまま過ごしてしまうかもしれない。


けれど、勉強ができなくとも、幸せに生きている人や、人気のある人が、現実にはいる。だから、その人たちをよく観察して、分析して、大事なのはIQだけではないと気づくべきだ。

EQを身に付けるには

これについては、私の経験してきたことを書く。私のEQについては、まだまだ不十分なのだが、以前よりだいぶマシになってきたと感じている。


私は高校時代まで、頭がいい=知能指数が高い、であると信じていた*3。そのため、文化祭の中心メンバーや、部活の部長なんかも、勉強ができなければ、たいした人間ではないな、と思っていた。しかし、心の奥では、人気者への憧れがあった。しかし、どうやったら人気者になれるかは、わからなかった。


大学に入ってから、そういう人への憧れから、自ら行動するようになった*4。以前より積極的にものごとに参加するようになった。今まで価値観が合わなくて避けていたような人とも積極的に交流するようになった。これが大きかった。価値観が違う、重視する要素が異なる、視点が異なる。世の中は、自分の思っていた世界よりも、もっともっと広くて、色々な考えがあって、色々な価値があって、色々な『正しいこと』があることを知った。狭い世界に生きてきた自分は、叱られ、責められた*5。けれど、その場からは逃げず、どうにか適応しようと、相手の価値観や考え方を吸収した。そうやって、より多くの価値観を身に付けることで徐々にEQ的な能力を伸ばしていった。


自分が正しいと思っているうちは、成長できない。自信を持つことは、チャレンジするのに必要だが、自信過剰であると、失敗から学ぶチャンスを逃してしまう。まずは自分の世界を拡げよう。自分の世界をつきやぶるのが怖いのなら、自分の世界を壊してくれる環境に飛び込もう。いわゆるブラックな肉体労働の世界は、勘違いエリートIQ野郎にとってはよい修行の場となる。

最後に、元増田へ

それでもここにいるのが辛い。
耐えるしかないのだろうか。一発逆転が無理なのだから自分の方の考え方を変えなければならない、けれどどうやって変えたらよいのだろうか。
どうやって折り合いをつけたらよいのでしょうか?

http://anond.hatelabo.jp/20090327205232/

あなたの自己評価の通り、あなたは知能指数が高くて、ものごとを客観的に見ることができる。しかし、仕事に必要な能力はそれらで全てではない。なぜなら、あなたより知能指数の劣っているだろうと思われる*6人たちがあなたの周りにいるのだから。それは何故か。あなたより優れた『何か』を持っているからだ。その何かを見つけだし、それを盗み、自分のものとしよう。


ただし、ひとつ注意がある。相手から何か能力を盗む、ということは、すなわち相手を尊敬しなければならない、ということだ。相手を尊敬するからこそ、自分の取り入れようと思うのだ。私は、人間に対して上位互換になるような他者は存在しないと信じている。事実、私の周りの全ての人間は、何かしら、私より優れた能力を持っている。だから私は、彼ら全てに対して尊敬しているし、新たに出会う人がいれば、まず、相手のいいところを探すところから始めるようにしている。


この考え方は、今まで見下していた人についても、受け入れなければならない。自分の価値観が破壊されるのは辛いかもしれないが、成長に辛さはつきものだ。現状から脱出したいのなら、もっと思考を柔軟にして、現実に対応できるようにしよう。

*1:知能指数の高低は問わない

*2:EQの内容としては間違っているのかもしれないが、そこらへんは気にせず。

*3:10割ではないけど、8割ぐらいは知能指数かな、と

*4:いわゆる、大学でびゅー★というやつです

*5:大学生の年齢にもなって、こうやって叱ってくれる情熱的な友人をもったことは、運がよかった。とはいえ、知り合いを増やすための積極的な行動が実を結んだともいえる

*6:元増田が思っている